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17- I- 0021 201 7 年 7 月 6 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
フ
ィ
リ
ピ
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共和国
(証券コード:−)【据置】
外貨建長期発行体格付 BBB+
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB+
格付の見通し 安定的
■ 格付事由
(1) 格付は、内需の拡大を背景にした高水準の経済成長率、対外債務の減少や外貨準備の蓄積等にみられる対 外ショックに対する耐性、政府債務負担の継続的軽減などを評価している。他方、格付は、近年改善が見 られるものの、依然として不十分なインフラなど課題の多い投資環境により制約されている。ドゥテルテ 政権は、17 年 2 月にフィリピン開発計画(17∼22 年)を発表し、同国が 22 年までに上位中所得国となる ための政府の計画及び戦略を具体化した。続いて、同年 4 月には「ドゥテルテノミクス」の一部を構成す る「Build, Build, Build」と呼ばれるインフラ開発計画を発表し、インフラ支出の大幅な拡大により経済の 制約となっているインフラ・ボトルネックの緩和に向けた姿勢を鮮明にしている。同時に、同支出の追加 財源として税制改革を掲げており、インフラ支出と税制改革による財政健全化の両立が今後進められてい く局面にある。これらを踏まえ、格付を据え置き、見通しを安定的とした。
(2) フィリピン共和国は、1. 041 億人の人口を有する島嶼国家で、一人当たり GDPは 2, 953米ドル(16 年) である。実体経済面では、16 年の実質GDP 成長率は6.9%となり、15 年の6. 1%から加速した。17 年も、 堅調な個人消費に加え、政府のインフラ投資拡大施策を背景とした総資本形成が引き続き成長を下支えす るとみられる。一方、政治社会面では、政府はミンダナオ島での反政府テロ組織による暴力的かつ非合法 的な行為の発生を受け 16 年 9 月にフィリピン全土に国家非常事態を宣言した。17 年 5 月には、政府は同 島マラウィ市での非合法的な暴力及び暴動を抑え、安全を確保するため、ミンダナオ島全域で戒厳令を布 告した。J C R は、今後の治安情勢の推移と投資環境に与える影響を注視していく。
(3) 対外収支面では、16 年の経常収支は GDP比 0. 2%の黒字と、15 年の 2. 5%から黒字幅が大幅に縮小した。 主因は貿易赤字の拡大で、総資本形成の拡大を背景に、資本財の輸入増加が目立っている。このため、フ ィリピン中銀が 17 年の経常収支を GDP 比 0. 2%の赤字と予想するなど、同年に 02 年以来の経常収支赤字 となる可能性が高まっており、その後も経常収支は小幅の赤字が続くとみられる。対外ポジションの安定 性を維持する上では、金融収支面で F DI の流入を促進することが重要と考えられる。F DI のフロー及びス トックの拡大は同国の長年の課題であり、こうした非債務性かつ長期の資金フローを呼び込むべく、投資 環境改善に向けた政府の取り組みの加速が必要とJ C Rは考える。一方、対外債務GDP 比は低下が続いて おり、16 年は 24. 5%と抑制された水準にある。外貨準備高は短期対外債務の 5. 6 倍、総対外債務の 1.1 倍 (16 年)に達しており、対外ショックに対する耐性は高まっている。
(4) 財政面では、16年の中央政府財政赤字は GDP 比 2. 4%と、15年の 0. 9%から赤字幅が拡大した。主因は インフラ支出の拡大である。ドゥテルテ政権は、同支出を対 GDP 比で 17 年 5.3%から 22 年に 7.3%に拡 大することを掲げ、財政赤字幅の同 3%への拡大(∼22 年)を許容する方針を示している。政府は大規模 なインフラ支出の追加財源として包括的税制改革を計画しており、第1 弾の法案が17 年 5 月に下院で可 決された。政府は同法案の 17 年下期中の成立、18 年の実施を目指している。一方、中央政府債務 GDP 比(16 年 42. 1%)及び一般政府債務 GDP 比(同 34. 6%)は低下が続き、毎年の利払費も減少するなど、 公的債務負担は継続的に軽減されて来ている。J C R は、インフラ支出の執行状況とそれを財源面から支え る税制改革の進捗に注目するとともに、同支出増加に伴う財政赤字の拡大が管理可能な水準に抑制され、 公的債務負担に影響が及ぶことがないか、注視していく。
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■ 格付対象
発行体:フィリピン共和国(R epublic of the P hilippines) 【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 BBB+ 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB+ 安定的
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2017 年 7 月 3 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:田村 喜彦
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp/ )の「格付関連情報」に「信用格付の
種類と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp/ )の「格付関連情報」に、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) フィリピン共和国(Republic of the Philippines)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した経済・財政運営方針などに関する資料及び説明
・ 経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が求める要件
を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依頼
に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及ぼ
す非公表情報を入手している。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラス
に登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g- 7(a)
項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は J C R のホームページ(http: / / www.jcr. co. jp/ en/ )に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■ 本件に関するお問い合わせ先